上司が部下の心をつかむコツは、会話と対話の違いを理解することです。
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- 日時: 2015/05/26 05:19
- 名前: 上司が部下の心をつかむコツ
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<上司が部下の心をつかむコツ>
「会話」と「対話」には大きな違いがあるって、意識したことありますか?
現在の新社会人や若者は、合理的でないと納得をしない、なんてことが言われたりします。「割に合わない」ことはやらないし、受け付けないなどと……。
で、「ゆとり世代だから仕方がない。」とか、「自分達と受けてきた教育が違うから、自分達が先輩から教わったように指導しても、全然思うようにいかない。」という嘆きにも似た愚痴なんかも実際よく聞かれます。
そして「時代が違うし、仕方ないか。」と、諦めムードの経営者や管理職は非常に多くいます。
しかしながら、先の震災では若者達ががんばったおかげで、多くの高齢者や子どもたちが励まされたというようなニュースもありました。インタビューなんかを見てると、若者達は「自分たちが頑張らなくてはダメだ。」という意識が、非常に高かったことがわかります。
そして、そこには合理的な考えは全くありません。
そうです、現在の若者にあると言われている、割にあうあわないというモノサシがないのです。また、少ない物資を奪い合うだけでなく、きちんと並び、他人と分け合う精神や互いに助け合う心があるのです。
これは一体どういうことでしょうか?
考えつくのが、いざというとき、我々は「人としてどうあるべきか」という道徳心みたいなものが顕在化され、生まれた時代、世代に関係なく判断し、行動することができるといことでしょう。
さらに、震災は、あまりにも悲惨な状況であったという共通の現実を、老若男女関係なく突きつけたことで、目に見えない「共通の思い」があったのでしょう。
職場における、部下や若手社員にやる気を持続してもらうという話に戻すと、震災時と比較するものではありませんが、若手社員と接する際に、自分達とは受けた教育が違うからとか、時代が変わったからとか思い込み、こちらの話は理解してくれないだろう、と卑屈になる必要などまったくありません。
その上で、部下や若手社員にやる気を持続してもらうための取り組みをご紹介します。
それが、「自分の仕事」に対する思いや価値観、「経営理念」に対しての自分自身の思いなど、仕事や会社そのものにまつわる思いを「語らう場」を作ることです。
まず、働くことの価値観を自分自身で向き合う(認識する・積極的に意識する)こと、他人との価値観の違いをお互いに認めることが必要です。
その上で、より良い組織づくり・目的達成のためにお互いの価値観を擦り合わせ、「共通の思い」という価値観を新たに構築していく取り組みを行うのです。
実際には、進行役を決め、時間を決めて1人1人が思いを語り、ホワイトボードなどにキーワードを連ねていき、そこから共通点の多いキーワードや、重要と成り得るキーワードを元に、デイスカッションを重ねるというイメージです。
この過程で徐々にではありますが、まとまりが感じられてくるはずです。それが実感できてくれば、強い組織になってきます。
ここで、よくあるのが、語らうのであれば「飲みの席で」という方も多いのですが、飲んでストレス解消!で終わり、というパターンが少なくありません。それは、一時の快楽であり、仕事と向き合うとは、ズレているから、建設的ではありません。
とはいえ、いきなり「さぁ!語ろう!」と言っても、難しいと感じることもあるでしょう。
手始めとして、朝の朝礼時や定期的なミーティングでも構いませんので、飲食を抜きにして、まずは、その場を作ることです。
基本は、会社のルール、基準に則り意見を、交わすことですが、会社によっては、基本マニュアルや行動規則、業務規則などのルールがあるでしょう。
それらを題材にして、ニーズや地域、時代に対応できているか、個々にルールに則り業務を行っているかなどを話し合ったり、個々が日々の業務での成功体験や失敗体験を発表し、そこから対話にしていくこともありです。互いの発表の中で、共有し認め合うことが重要となります。
ただ、注意していただきたいことは「会話」ではなく、あくまでも「対話」をすることです。これらは似ているようで全くその性質は違います。
「会話」とは、普段の生活において、言葉を通して、お互い気持ちを交わしたり、何かしら用を足したりするための話のやりとりのことです。朝起きて「おはよう」と声をかけたり、ご飯を食べるときに「いただきます」と言うのも会話の一種です。
しかし「対話」は違います。
対話とは単なる言葉のやりとりではありません。時には対立も含んだ上で言葉のやりとりをして、何かを生み出すとか何かに繋げる行為を指します。つまり、建設的な話し合いです。
対話する上での重要な点は、自分とは異なる話を聞くということです。
職場とは自分と異なる存在の集まです。ですから、「語らう場」を設けて対話を始める際には、「大人的な対話の場にする」ということを、あらかじめ共通ルールとして認識しておくことが極めて重要です。
なぜなら、幼稚な態度で発言を茶化したり、ただ仕方なくその場にいるだけとか、常に相手を非難したり難癖をつける様な態度でいると、建設的でなくなるからです。対話出来る環境ではないのです。
対話をするのだから自分の考えや意見に責任をもちましょうよ。お互いに責任をもって話すのだから、真剣に聞きましょうという事です。
こうしたグランドルールがあって、はじめて真の対話が可能になります。
そうはいっても時には、感情的になったり、互いに異なることが大きいことで、激論になることもあるかもしれません。しかし、グランドルール内であれば、そこからまた新たな対話が生まれるのです。
対話が出来ている状態とは、相手の話を真剣に聞くことが出来ているということです。
ですので、相手の話を十分理解する、理解を示すことが可能になります。さらに、それに伴って自分自身の思考もより深まっていきます。
「真剣に話しを聞く」と言うのは、簡単そうで実はなかなか難しいことだったりもします。
真剣に聞くには、まず相手に対して関心を持つ、向き合う姿勢が必要です。積極的に聞く姿勢も大事になってきます。
例えば、部下が「昨日、ものすごく感じの悪いお客様がいて……」と話はじめたとき「お客様を批判するなんて!」「また愚痴かよ……」「私は現場じゃないし関係ないわ。」という気持ちで話を聞くのか、それとも「どんな問題がおきたのか?」「なぜそのように思ったのか?」という気持ちで聞くかです。
前者の場合だと、最初から話を聞く気がないため、これ以上の対話は期待できません。発表した部下本人も言わなければ良かったと後悔し、今後このような話をするのはやめようと思うかもしれません。そうなれば、仕事の進め方の改善や職場の見直し、会社の風土改善のなどの目を摘んでしまうことになるかもしれません。
つまり、改善点を放棄してしまう可能性が大となります。
後者の場合「そんなことがあったのか。そのとき接客担当は他に誰もいなかったの?」などの問い返しが生まれ、対話がどんどん展開し進んでいきます。
すると、話し始めた本人も意識していなかったことが見えてきたり、そこにいるメンバーに新たな思考や発想を与えるなど、そこからいろいろな可能性が見出されてきます。ですから、仕事にまつわる語らいの場では、会話ではなく対話をするのだという事を十分に意識して進めることが重要です。
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