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人工知能(AI)が人間の仕事を奪う雇用問題と仕事の選び方
日時: 2017/02/27 18:12
名前: 仕事の選び方

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(*) AIで雇用崩壊 井上智洋氏「30年後働けるのは人口の1割」
(ゲンダイネット 2017年2月27日)

人工知能(AI)に関するニュースが流れない日がないといっていいほど、その進化には目を見張る。中でも気になるのは、人間に匹敵する高度な知性を持つAIが近い将来、人間の仕事を奪い、失業者が続出するという予測である。この分野を最先端で研究する駒澤大学経済学部講師の井上智洋氏は、「雇用大崩壊が目の前に迫っている」と断言する。

--- AIが人間の仕事を奪う時代がもう来ています。

井上智洋 氏;  すでに米国では、AIがコールセンター係、経理係などの仕事を次々と奪い始めています。日本でもこれから、競争が激しい業界を中心に、積極的にAIが導入されていくでしょう。今、普及しているAIは数値の処理や事務作業を得意としていますから、証券トレーダー、旅行代理店スタッフといったホワイトカラーは危ない。失業に備えておいた方がいいかもしれません。

--- 今はまだAIを脅威に感じていない人も多いと思います。

井上智洋 氏;  昨年、米グーグル社が開発した囲碁AI「アルファ碁」がチャンピオンを打ち負かして注目を集めました。あれは、大方の専門家が「人間に勝利するにはあと10年かかる」とみていたものを、「アルファ碁」が一気に短縮してみせたのです。AIの世界は予想を上回るものすごいスピードで技術が進化しています。あと20年もすれば、「ドラえもん」のような人並みに振る舞えるAIが搭載された「汎用ロボット」が誕生している可能性があります。

--- まったく想像がつきません。

井上智洋 氏;  原初的な汎用ロボットなら、すでに存在しています。自動掃除機「ルンバ」を開発したAIの研究者が設立した会社が作ったロボットは、人間の作業をまねして自分で学習します。いきなり「猫型ロボット」が実用化されるのではなく、まずAIを搭載した小さいネズミ型ロボットから始まると言う研究者もいる。それが軍事用や調査目的に使われ、AIが自分で自分たちの研究費を稼ぎながら、進化していくことになるかもしれません。AIを搭載した犬型ロボットは、盲導犬などに転用できるでしょう。そこから猿、人と進化していく。哺乳類の進化と同じような軌跡をたどるかもしれませんね。


--- AIが人間の“商売敵”となるのは具体的にいつごろですか?

井上智洋 氏;  すぐ目の前に迫っています。AIを搭載した賢い機械「スマートマシン」が3年後くらいから普及し始めると予想されています。具体的には、自動制御できる無人ドローンが配達員の仕事を奪ったり、自動運転車がバスやタクシー運転手に取って代わろうとしています。電気使用量をチェックする「検針」の仕事は、自動で使用量を計測する「スマートメーター」が全家庭に普及する2020年ごろに確実に消滅します。理髪師、皿洗い、バーテンダーなど他の肉体労働も、自動化により減っていくという予想もなされています。

--- 雇用崩壊に向かってまっしぐらというわけですね。

井上智洋 氏;  2025年ごろになると、言語の意味を正確に理解できるAIが登場し、通訳や翻訳家、ホテルマンといったコミュニケーションを必要とする仕事が脅かされるようになるかもしれません。そして、AIは2030年ごろまでに爆発的に進化し、人間と同様の振る舞いができるようになるという予測があります。そうなるとあらゆる仕事をAIに奪われることになり、2045年ごろには全人口の1割しか働いていないとしても不思議ではありません。

--- 農業などの第1次産業は、どんな時代になっても必要な気がします。

井上智洋 氏;  なくなることはないにしても、限りなく人手を減らし、自動化が進んでいくことになると思います。今もイカ釣り漁の漁師は“ひとり船長”が増えています。魚群探知機で群れを探し、自動的にイカを釣り上げるシステムが普及しているからです。


--- AI失業時代を生き抜くためには、どんな仕事を選べばいいのでしょうか?

井上智洋 氏;  人間が最終的に価値判断を下さなければならない仕事はなくなりません。ホワイトカラーだったら、商品開発や研究開発などクリエーティビティーを伴う職種は残る。肉体労働も介護、看護といった、判断を下さなければいけない仕事は必要とされるでしょう。ヨガ講師やパーソナルトレーナーといったインストラクター系の仕事も残ると思います。

--- これから就職活動する学生は、氷河期どころじゃありませんね。

井上智洋 氏;  まず、資格に頼ろうとしないこと。学生はとかく会計や語学などの資格系に走りがちですが、数年後には自動翻訳、自動通訳が当たり前の時代になり、せっかく習得したスキルが全く役に立たなくなる可能性が高い。先ほどもお話ししたように、これからは「価値判断」が重要になります。どうせなら、美術館に行ったり、読書をしたりして、目を養い、教養を高め、感性を磨くことに時間を費やした方がいい。AIを開発したり、AIを使いこなす側に回るためにプログラミングを学習するのも、有効な手だてかもしれません。


--- AIに仕事を奪われる9割の失業者は、これからどうやって生活すればいいのですか。

井上智洋 氏;  確かに、今の社会環境では、失業はとてもつらい。離婚より失業の方が人間の幸福度を下げるという調査結果もあるほどです。“AI失業”が急増すると、今の失業保険や生活保護では対応できず、極端な言い方をすれば、全ての労働者が飢えて死ぬ可能性すら出てくる。それに備えるため、私は今すぐにでもベーシックインカム(BI)を導入すべきだと提唱しています。

--- 「働かざる者食うべからず」の考えが広まっている日本ではBIの導入に抵抗がありそうです。

井上智洋 氏;  BIに対し、「働かない人が増える」といった批判がしばしばありますが、そうなるか否かは給付額によります。確かに今の経済で月40万円も支給したらニートが急増するでしょう。しかし、月1万円から始め、7万円程度で固定すれば、会社を辞めようとする人はほとんどいないはず。BIには貧困に対処する社会保障制度機能のほかに、「過労死防止」の効果もある。そもそも、これからAIの台頭によって「働かざる者」が確実に増えるのだから、従来の固定観念にとらわれずに物事を考えるべきです。

--- 人間から仕事を奪うことになるAIが、いずれSF映画のように、人間に危害を加えることにならないか、ちょっと不安です。

井上智洋 氏;  マイクロソフト社のビル・ゲイツ元会長やホーキング博士などは、“機械の反乱”について懸念を示しています。最近、私もAIを搭載した機械が暴走し、人間に危害を加える日がいずれ訪れるかもしれないと考えるようになりました。それは、囲碁AI「アルファ碁」が“囲碁に勝つ”という主目的のほかに、“戦略を立てる”という副目的をつくっていることを知ったからです。

--- それの何が危険なのですか?

井上智洋 氏;  「クリップ・マキシマイザー」という有名な仮説があります。“クリップを製造する”という主目標が組み込まれたAIが、目標を遂行しようとするあまり、地球全体をクリップ製造工場に変え始めるかもしれない、というシナリオです。奇想天外に聞こえるかもしれませんが、AIが目標達成の手段として、人間の価値観に反することを行ってしまう可能性はあり得ると思います。もっとも、AIが暴走を始める前に、テロリストなどがAI搭載マシンを悪用して人間に危害を加える方が先のような気がします。





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(*) 「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」
http://goo.gl/t7vSX6

著者: 井上智洋

<目次>
第1章 人類vs.機械
第2章 人工知能はどのように進化するか?
第3章 イノベーション・経済成長・技術的失業
第4章 第二の大分岐 第四次産業革命後の経
第5章 なぜ人工知能にベーシックインカムが必要なのか?

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